お知らせ

日立造船マリンエンジン、アンモニア焚き舶用エンジンの設備投資を決定

 日立造船マリンエンジン株式会社(以下、HZME)は、アンモニアを燃料とした舶用エンジンの生産に向け、HZMEの本社兼工場に設備投資することを決定しましたので、お知らせします。
 また、HZMEは、環境省と国土交通省の連携事業である「令和7年度ゼロエミッション船等の建造促進事業※1」での採択が決定しました。

 2023年7月、国際海事機関(IMO)により、2050年頃までに温室効果ガス(GHG)排出の実質ゼロを目指すことが採択され、海事クラスター※2では船舶の燃料をGHG排出が少ないLNGやメタノール、アンモニア等の新燃料へ転換する技術開発が進んでいます。
 HZMEは、従来から対応可能なLNG焚きに加え、2023年にはメタノール焚きエンジンの生産に向けた設備投資を行いましたが、2030年以降の就航船において普及が見込まれるアンモニア焚きエンジンの製造に備え、この度の設備投資を決定しました。
 HZMEは、舶用エンジンにおける世界の二大ラインセンサーであるEverllence SE(独)およびWinGD Ltd.(スイス)のダブルライセンシーであり、今回導入するアンモニア燃料供給装置は両ライセンサーの基本設計に適合しています。燃料供給装置以外にアンモニア受入設備や貯蔵装置などを導入し、2028年度中の運転開始を目指します。
 総投資額は約25億円であり、この一部は、HZMEがアンモニア焚きエンジンの製造について応募して採択された「令和7年度ゼロエミッション船等の建造促進事業」の補助金によって賄われます。

 IMOのGHG排出実質ゼロ目標だけでなく、近年は脱炭素化を重視する荷主により、サプライチェーンとしての海事クラスターの脱炭素化が重要視され、新造船市場は活発化しています。
 HZMEは舶用エンジンの新燃料への転換に対応した生産体制整備や技術開発に挑戦し、国際海運・造船業界に対する舶用エンジンの供給面において、積極的に貢献していきます。

※1 水素、アンモニア、LNG、メタノール及び電力(バッテリー)を推進エネルギー源とするゼロエミッション船等の建造において、必要となるエンジン、燃料タンク、燃料供給システム等(以下、「関連舶用機器等」という。)の生産設備(ただし、エンジンの生産設備については、水素又はアンモニア燃料エンジンの生産に用いるものに限る。)の整備事業及びこれらの関連舶用機器等を船舶に搭載(艤装)するための設備等(艤装プラットフォーム等)の整備を支援するもの。

※2 海運・造船・舶用工業などが関わる産業群。

 なお、本設備投資の概要は次のとおりです。 
1.実施会社:日立造船マリンエンジン株式会社(竹中 俊哉社長、熊本県玉名郡長洲町、出資比率:カナデビア65%・今治造船35%)
2.投資額 :約25億円
3.導入場所:日立造船マリンエンジン本社兼工場
4.導入設備:アンモニア供給装置、アンモニア貯蔵設備など
5.完成予定:2028年3月

(終)

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