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グリーンメタノール対応二元燃料テストエンジンの製造請負 ~ 国際海運の温室効果ガス削減に貢献する舶用エンジンの燃料転換技術 ~

 日立造船マリンエンジン株式会社は、その親会社である日立造船株式会社からの委託により、グリーンメタノールに対応した二元燃料テストエンジン(4S90ME-C10.5-LGIM)1台を製造します。このテストエンジンは、日立造船株式会社がMAN Energy Solutions SE(ドイツ、以下、MAN)より受注したものになります。

【メタノール対応二元燃料テストエンジンCG モデル】

 MAN は、複数の大手海運会社が所有する船舶に搭載された重油焚きエンジンのS90ME-C 型シリーズを、グリーンメタノール対応の二元燃料エンジンに改造する契約を結んでいます。改造実施にはテストエンジンでの陸上試験による技術検証が必要で、本テストエンジンは、MAN にとっても初となるS90ME-C 型でのグリーンメタノール対応二元燃料エンジンの陸上試験機となります。テストエンジンの完成は、2024 年9 月を予定しており、その後、MAN と当社が共同で陸上試験を2024 年末まで行います。

 S90ME-C 型エンジンは、主に大型コンテナ船の推進用主機関として用いられるエンジンで、S90ME-C 型を搭載した船舶が現在も300 隻以上就航しています。「Well to Wake※」ベースで、グリーンメタノールは重油に比べ、CO2 排出量を90%以上削減できる燃料で、推進用主機関を二元燃料エンジンへ転換し、グリーンメタノールを燃料とすることで、海上輸送のカーボンニュートラル化や環境負荷低減に大きく貢献できます。

 今回のテストエンジン受注は、半世紀以上にわたる日立造船株式会社とMAN との良好な関係と、MAN のライセンシーとして約3,000 台を製造してきた日立造船株式会社および当社の実績が高く評価されたものです。

 IMO(国際海事機関)は、国際海運分野からのGHG 排出量を 2050 年に半減させ、今世紀中早期にゼロにすることを目指す「GHG 削減戦略」を2018 年に採択していましたが、2023 年7 月には目標を大幅に引き上げ、2050 年頃に実質ゼロを目指すことを新たに採択しました。

 船舶の主機関である舶用エンジンは、GHG の削減に重要な役割を担っており、従来の重油からLPG、LNG、メタノールへの転換が始まっているほか、アンモニアを燃料とする技術など、さらにGHG 排出量が少ない新燃料でのエンジン開発が急務となっています。

 競争力の高い次世代船舶を海運業界に提供し、環境技術で世界をリードするため、日立造船株式会社および当社は舶用エンジンの燃料転換に向けた技術開発に積極的に挑戦し、国際海運・造船業界に貢献していきます。

※海運業界における排出量を評価する際に用いられる考え方であり、Well(油井等)からWake(航跡)まで、すなわち燃料の製造から船上での使用までの全過程と、そこで発生するすべての排出物の総和を指します。

 なお、今回受注したテストエンジンの概要は以下のとおりです。

1.発注者:MAN Energy Solutions SE(ドイツ)

2.受注者:日立造船株式会社

3.製造:日立造船マリンエンジン株式会社

4.エンジン型式:4S90ME-C10.5-LGIM×1台 5.完成予定:2024 年9 月

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