お知らせ

カーボンニュートラルLNGを燃料とした舶用エンジンの試験運転を実施 ~ 舶用エンジンの製造工程におけるCO2排出削減の取り組み ~

日立造船マリンエンジン株式会社(以下、HZME)は、このほど本社兼工場に常設している技術開発用の4気筒テストエンジン(日立造船-MAN B&W 4S50ME-T9.5-GI(定格出力7,120kW))で、カーボンニュートラルLNG※を燃料とした実証試験運転を行いました。

【テストエンジン:日立造船-MAN B&W 4S50ME-T9.5-GI】

 船舶の燃料については、将来的にはメタノールやアンモニア、水素の利用などが考えられていますが、足元では低炭素燃料としてLNGの普及が進んでいます。HZMEでは今後のLNG焚き舶用エンジン製造に備え、テストエンジンを最新型の高圧LNG焚き2元燃料エンジン「ME-GI Mk.2」に改造し、かつ舶用エンジンの製造工程からCO2を削減する取り組みとして、カーボンニュートラルLNGを用いて試験運転を行いました。

 今回の試験運転を重油で運転した場合のCO2排出量は約70トンになりますが、LNGによる運転では約53トンに低減されます。さらに今回、カーボンニュートラルLNGを利用したことで、LNGからのCO2排出量はカーボン・オフセットされるため、約1.4トンにまでCO2排出量を低減できたことを確認しました。これは重油使用と比較して約98%削減に相当します。舶用エンジン製造の最終段階では、一般的に工場内で試運転が行われます。HZMEの本社兼工場では、年間約40台の舶用エンジンを製造しており、排出されるCOの約6割が試運転時の燃料によるものです。

HZMEは、2023年3月末にはメタノールを燃料とした陸上テストエンジンも受注しています。これらの新燃料に対応したエンジンの開発だけでなく、製造時におけるCO2排出削減にも積極的に取り組み、顧客(荷主、船主、造船所など)のスコープ3に該当するCO2排出削減に貢献していきます。

※原料ガスの採掘~輸送~消費するまでに発生する温室効果ガスを、COクレジットなどで相殺(カーボン・オフセット)し、地球規模ではCOが発生しないとみなすLNGのこと。

なお、本件の概要は以下のとおりです。

1.エンジン型式:日立造船-MAN B&W 4S50ME-T9.5-GI(定格出力7,120kW)

2.試験期間:2024年5月13日~2024年5月28日の内、9日間で実施

3.カーボンニュートラルLNGによるCO2削減効果:対重油 68.6トン、対通常のLNG 51.6トン

(終)

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